食後のまどろみ

家に帰る。玄関まで迎えに来てくれるのが嬉しい。


晩御飯を食べていると、その間に嫁が風呂に行く。食べ終わった俺は食器を片付けて、無作法に床に寝転ぶ。食べてすぐ横になると牛になると言われていたのに、まだ牛にならないのは何故なんだろうと思いながら、うたた寝をしたようだ。


ふと、おなかに体温を感じる。まどろみと体温の誘惑の狭間でふらふら漂う心地よいひと時。次第に近づく息遣い、首筋にかかる少し長い爪。目を開けると、今にも喉を鳴らさんばかりの表情、そして見開いた瞳…荒い息が近づいてきて…


「痛てぇ〜」
丁度風呂から上がってきた嫁に聞く。
「ミャにご飯あげた?今眉齧られたんだけど」
「みゃぉう〜(腹減った!)」
「…だって(笑)」
「だって、じゃねぇ。典型的扁平顔のこの眉を齧るって、どうなってんだよぉ」


…我が家は今日も平和、らしい。*1

*1:夏への扉を再読したら猫小説っぽいのが書きたくなった。やっぱ文才ねぇや俺orz。